この『雪山の絆』は、1972年のウルグアイ空軍機571便遭難事故という実際に起きた事故を映画化した作品で、書籍やドキュメンタリー映画、劇場映画がたくさんあります。
劇場映画では、過去に2作品があります。
1976年の「アンデス地獄の彷徨」
1993年の「生きてこそ」
です。
1993年の「生きてこそ」は、イーサン・ホーク主演で、レンタルが開始された頃に観ました。細かい内容は忘れてしまいましたが、人肉を食べて生き延びたということは覚えています。
飛行機事故と人肉を食べるという重いテーマで、観ることをためらっていましたが、観てみたらどんな感想を抱くのかということで観ました。
飛行機の墜落シーンはやはり怖いですね。海外旅行に行く際には必ず乗ることになるので、それをイメージしてしまいます。
アンデスの雪山で山に衝突し、機体の前後が分裂しました。前方部分は雪山を滑り降りることができ、墜落ではなく助かるかもしれないと思いましたが、停止する際に前に押し出され、潰されたり大けがをしたりしました。
45人乗りの飛行機が墜落した後、27人が生存したことはかなり奇跡的なことでした。
しかし、これからが本番です。夜になるとマイナス30度の雪山で過ごすことになります。
食料もクラッカーなどがわずかで、数日でなくなってしまいます。
ラジオがつながりましたが、9日目で捜索が打ち切られたことを知りました。
生き残るためには、遺体の肉を食べるしか手段はありませんでした。
食べなかった人も亡くなりました。人肉を食べるか食べないかがテーマだと思いましたが、あまり強調されませんでした。最初は、切り分ける役割の人が、遺体が誰のものか分からないように、肉の塊にして配布していました。しばらく経つと、人肉を食べるということにあまり気を使わなくなりました。人肉そのものも少なくなってきたため、骨から剥ぎ取って食べるようになりました。
助けを呼ぶために遠征隊が肉を詰めた袋を持って出発します。
もちろん、食べるか食べないかは重要な部分ですが、その議論はあまり感じられず、食べることが当たり前のように思えました。
自分自身が同じ状況に置かれた場合、私も食べると思います。1993年の映画のタイトル「生きてこそ」がまさにそれを表していると思いました。
どんな困難があろうとも、諦めずに生きなければならないと強く感じました。
遠征隊の2人がチリにたどり着いて救助を呼ぶことができ、72日後に16人が生還することができました。
Netflixのドキュメンタリーのメイキングも観ました。「雪山の絆: 僕らは何者だったのか」というタイトルです。無名の俳優などが起用されたそうです。容姿や性格などを考慮してキャスティングされたそうです。撮影はコロナ禍の中で行われたため、俳優や監督が感染したとのことです。
実際の雪山にセットを運び、撮影が行われました。墜落のシーンの撮影から始まり、俳優たちは減量して痩せていく必要がありました。映画を観終わった後は、ドキュメンタリーもおすすめです。