【感想】機動戦士Gundam GQuuuuuuX ― ファーストガンダム世代が観て驚いた、もうひとつの宇宙世紀

機動戦士Gundam GQuuuuuuX

イメージ画像です。実際の内容とは違います。

ファースト世代の私が「ジークアクス」を観た理由

私は1979年に放送された「機動戦士ガンダム」、いわゆるファーストガンダムをリアルタイムで観ていた世代です。5歳だった当時、最終回を観るためにお風呂を急いで上がった記憶が今も残っています。その後もZガンダム、ダブルZ、逆襲のシャアと、いわゆる「正史」のガンダム作品はすべて観てきました。 そんな私が、「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」を観ようと思ったのは、SNSのタイムラインに懐かしいガンダムの映像とともに情報が流れてきたのがきっかけ。主人公のビジュアルが今風で「なんか違うなぁ…」と最初は思いましたが、観てみたら想像を遥かに超える展開でした。

ホワイトベース」そっくりの戦艦にジオン軍が!

第1話から衝撃でした。ジオン軍が乗っているのが、あのホワイトベースそっくりな緑の戦艦「ソドン」。そして謎の赤いガンダムが現れ、「あれはシャアなのか?」という会話…。これはもしや正史の続きか?と思ったところで、さらに驚かされる展開が待っていました。

衝撃の第2話―シャアがガンダムを強奪!

第2話では、ファーストガンダムの第1話のような懐かしい絵柄で物語が始まります。しかし、アムロではなくシャアがガンダムを強奪!この時点で確信しました。「これは、もしも…の物語、パラレルワールドだ」と。一年戦争でジオンが勝利した世界を描いているのです。


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物語のあらすじ

作品は劇場先行版「Beginning」(TV版の1話~2話構成)から始まり、テレビアニメ全12話で構成されています。ファーストガンダムで描かれた一年戦争が異なる結末を迎えた世界線を舞台に、ジオンが勝利した後の世界が描かれます。シャアがガンダムを奪取し、ザビ家への復讐を果たすという物語がベースにあり、その後の5年後を舞台に少女マチュと少年シュウジが「ジークアクス」や「赤いガンダム」をめぐって運命に巻き込まれていきます。 ラストは多元宇宙(マルチバース)的な展開になり、ララァやシャアといった正史のキャラクターも深く関わってきます。

絵のタッチが「ファースト×エヴァ

作品を観ていて気づいたのが、キャラクターによって絵柄が違うこと。昔のガンダムのような劇画タッチと、現代的な柔らかいアニメの両方が混在しており、違和感もありつつも不思議な魅力を放っています。 実は本作、「サンライズバンダイナムコフィルムワークス)」と「スタジオカラーエヴァの制作会社)」が初めて共同制作したガンダム作品なのです。監督は鶴巻和哉、脚本には庵野秀明の名前もあり、なるほど納得の難解ストーリーです。

ファースト世代こそ観てほしい

ストーリーはとにかく難解。ですが、ファーストガンダム、Z、ZZ、逆襲のシャアを観た世代なら、その背景や人物設定を知っているからこそ、深く楽しめると思います。 シャアやセイラ、ララァといった懐かしいキャラクターたちが、現代的な演出と新解釈で登場することで、まるで「もう一つの宇宙世紀」を旅しているような気分になります。

正史と繋がる並行宇宙の物語

この物語のすごいところは、「もしも」の世界で終わらないところ。終盤には、正史の世界から登場人物やモビルスーツが「ゼクノヴァ」という超常現象を通じてこの世界に現れます。つまり、この物語はただのパラレルワールドではなく、正史とリンクする「マルチバース」なのです。

難解だけど、観る価値あり

難解な展開や謎が多いため、YouTubeなどに考察動画もたくさん上がっています。エヴァのように「なんとなく理解したつもり」で観るのもアリですが、気になる方は解説系の動画を観ながら追っていくと理解が深まります。 個人的には、一応物語は完結していますが、続編をぜひ作ってほしいと思っています。まだまだ気になる伏線がたくさん残っていましたから。

まとめ

「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」は、ファースト世代のガンダムファンには刺さる作品です。古き良きガンダムと、新しいアニメの融合。懐かしさと新しさ、正史とパラレルの交錯する世界観に、胸が熱くなりました。 絵柄が合わないと思ったら、2話目から観るのもありかもしれません。とにかく、50代・60代のガンダムファンには一度は観てほしい作品です。