
Netflixの新作スリラー、BEAST -私のなかの獣(原題 The Beast in Me)を観ました。
派手なアクションで押すタイプではなく、静かな空気のまま不穏さがじわじわ濃くなっていく心理サスペンスです。気づいたら次の話を再生していました。
あらすじ
主人公のアギーは、かつて成功を収めた作家。けれど数年前、最愛の息子を事故で失って以来、時間が止まったような日々を送っています。
次の小説は書けない。人とも距離を置き、ただ静かに暮らしている。そんな彼女の隣に、ある日ひとりの男が引っ越してきます。
その男ナイルは、過去に起きた「妻の失踪事件」で世間から疑いの目を向けられてきた人物。裁かれることはなかったものの、彼の名前には今も不穏な影がつきまとっていました。
普通なら関わらない。でもアギーは、なぜか彼が気になってしまう。喪失を抱えた者同士、似た孤独を感じたのかもしれません。
やがて彼女は、ナイルについての本を書くことを決意します。真実を知りたいという思いと、作家としての衝動が静かに重なっていく。
しかし、調べれば調べるほど周囲で起きる出来事は不穏さを増していきます。誰が嘘をついているのか。誰が被害者で、誰が加害者なのか。そして何より、自分はどこまで踏み込んでいいのか。
真実に近づくほど、アギー自身の心も少しずつ危うくなっていきます。
このドラマは単なる事件の謎解きではなく、人は他人の闇を覗き込むとき、同時に自分の中の何かも目覚めさせてしまう。そんな怖さが残ります。
出演者について
クレア・デインズが観るきっかけ
このドラマを観ようと思った一番の理由は、主演のクレア・デインズです。
かなり昔になりますが、1996年の映画ロミオ+ジュリエット。若い頃は本当に可愛かったですよね。
その後で強く印象に残っているのが、ドラマHOMELANDです。シーズン8まで一気に走り切った、文句なしに面白い作品で、私の中では歴代ドラマに入っています。
HOMELANDで見せていた、感情が高ぶったときの顔がクシャっと崩れるような表情。あの感じが今回の予告にもあって、これは観たいなと思ったんですよね。クレア・デインズは本当に表情の幅が広い女優さんだと思います。
※このドラマもHOMELANDの制作陣でした。
ジョナサン・バンクス ブレイキングバッドのマイク
もう一人、見覚えのある顔だったのがジョナサン・バンクス。ドラマブレイキング・バッドのマイク、と言えばピンとくる人も多いと思います。
いわゆるおじいちゃん俳優ですが、私はブレイキング・バッドの印象が強すぎて、それ以外の作品で見るのは今回がほぼ初めてでした。
デビッド・ライオンズ ERのサイモンブレナー
そしてFBI捜査官役で重要なポジションにいたのがデビッド・ライオンズ。どこかで見たことあるなと思ったら、ER緊急救命室のサイモン・ブレイナーでした。
シーズン14から登場して、15でレギュラーになったので、ERでもかなり後半のメンバーですが、年齢を重ねてもイケメンでしたね。
感想
このドラマのあらすじを、かなり雑に言ってしまうと、ロス疑惑の三浦和義が人気作家の隣に引っ越してきた。そんな感じです。
疑惑の人物ナイル。最初は正直、あまり感じのいい人ではありません。でも話しているうちに、なぜか楽しくなってくる。完全な悪人にも見えない。
この人は本当に妻を殺したのか。それとも、世間に疑われ続けているだけなのか。そこを探りながら、ずっと観ていました。
ネタバレになるので詳しくは書けませんが、終盤は、内容はまったく違うものの、映画セブンのラストを初めて観たときに近い、あの独特の衝撃を思い出しました。あの展開そのものではありません。
証拠が消えてしまい大ピンチになる場面もありますが、そこからの流れは、これはあれだなと思わせる展開。ドラマをたくさん観ている人なら、たぶん気づくやつです。
とはいえ安っぽさはなく、最後までちゃんと引っ張ってくれました。派手なアクションがあるわけでもなく、スカッとする話でもありません。でも、じわじわ不安になって、気づいたら次の話を再生している。とにかく面白いドラマでした。
まとめ
「BEAST -私のなかの獣」は、静かな空気のまま不穏さを積み上げていく心理サスペンスでした。
誰を信じていいのか分からない感じと、主人公の心が少しずつ削れていく怖さがじわじわ効きます。クレア・デインズの表情の説得力もさすがで、観始めると止まらないタイプの作品でした。
派手さよりも、心の奥をザワつかせるドラマが好きな人にはかなり刺さると思います。