いきなりですが、素晴らしい映画です。良かった。
この映画を観ることになったのは、前回レビューも書いた映画「ペパーミントキャンデ」の監督イ・チャンドンの作品だったからです。主演も同じ俳優ソル・ギョング
制作されたのは、2002年です。20年前の映画なんですね、なんで観てなかったんだろ。
Amazonプライムビデオで観れるようになり、この作品に出会った方も多いみたいです。
ネタバレ多少ありのストーリーと感想
大筋のストーリーを感想も交え、お話します。本当に良い映画なので、読まずに鑑賞もおすすめです。
ソル・ギョングが演じるジョンドゥが刑務所から出所するところから物語は始まります。前科3犯で、強姦未遂、暴行、ひき逃げ死亡事故、との事。
誰も迎えに来ず、家族のいる自宅に戻るのですが、引っ越していました。とりあえず焼き肉を食べるのですが、いきなり無銭飲食で捕まります。警察でようやく家族と連絡が取れて弟が迎えに来ます。
実家に戻ると、高齢の母と兄夫婦、弟と住んでいるようです。家族には歓迎されておらず刑務所にいてくれた方が気がラクだと言われる感じ。
兄の紹介で料理の出前の仕事に就くことになりました。
ここまで観ていると、ジョンドゥの言動は、変な人、ヤバイ人、と感じます。映画の中では説明はないですが、刑務所に入れられるぐらいの普通の生活ができる、軽い知的障害なのではと思いました。
そして、交通事故で死なせてしまった男性の家にフルーツをもって挨拶に出向きます。
引っ越しの途中のようで、部屋には脳性麻痺の女性コンジュと出会います。
ジョンドゥはとくに先入観もなく、コンジュに話かけたりします。事故で死なせてしまったのはコンジュの父親です。そこにコンジュの兄夫婦が戻ってきます。もちろん怒られ追い返されます。そして兄夫婦はコンジュを部屋に残して引っ越ししてしまいます。
隣の部屋の夫婦にお金を払い、妹の面倒をみてもらうようにしてるようです。
私が心配したのはトイレは自分でできるのか?そこは描かれてないです。食事は用意してもらって食べるのは自分でできるのかな、電話をかけることもできます。緊張するとしゃべれなくなるようです。
話は戻りますが、ジョンドゥはコンジュが気になり、部屋にいきます。そこで、一目ぼれしたと伝えます。連絡先の書いた名刺も渡します。
しかしそこで、強姦未遂的な事をしてしまいます。コンジュが気絶してしまいびっくりして逃げるように立ち去ります。
コンジュの兄夫婦は、一緒に住んでいないのに障がい者住宅に住んでいるようで、行政のチェックがあるときだけ、コンジュを家に連れてきて偽装しています。
コンジュは疎外感を感じているはず、そして自分の事を女として好きと言ってくれた、ジョンドゥに電話してそこから2人の交際は始まります。
2人でデートを重ねるわけですが、差別されることが多く、2人とも社会的疎外感があるところが共通点なのかなと。
ちなみに後でわかるのですが、ジョンドゥは兄が起こした事故の身代わりで刑務所に入ったことがわかります。
ジョンドゥとコンジュの2人の世界で幸せそうな笑顔をみると観ている私も笑顔になりました。
そして、コンジュの誘いにより、2人はベットで結ばれるのですが、その行為中に、兄夫婦が部屋に入ってくるのです!、、、、、、、、
このハラハラドキドキ感、これ以上は話しません。とりあえず切なくなります、そしてラストシーンは少しほっこりします。その後の2人を観たかったけど、そこまでは描かない、それが映画なんですね。
イ・チャンドン監督の作品というのは、人間臭いというかリアルで引き込まれますね。他の作品は「ペパーミントキャンディ」しか観てないですが、他の作品も必ず観てみたいと思います。