
Netflixで配信されているドラマ『エル・チャポ』は、世界で最も有名な麻薬王の一人、ホアキン・“エル・チャポ”・グスマンの半生を描いた衝撃作です。
実話に基づいた生々しい描写と、政治の裏側まで踏み込んだストーリーが魅力の本作。今回は、シーズン1から3までのあらすじを分かりやすくまとめました。
シーズン1 野心と台頭(1985年〜1993年)
物語は1985年、チャポがまだグアダラハラ・カルテルの中堅メンバーだった頃から始まります。彼は「パブロ・エスコバル」との直接交渉を成功させるなど、その大胆な行動力で頭角を現していきます。
主な見どころ
- 権力への執着
単なる運び屋から、自らの組織(シナロア・カルテル)を築こうとする野心が描かれます。 - 宿敵との対立
ティフアナ・カルテルとの血で血を洗う抗争が勃発。 - 最初の転落
1993年、グアテマラでついに逮捕され、悪名高いプエンテ・グランデ刑務所へ収監されるまでが描かれます。
シーズン1では、彼がいかにして「最下層から這い上がったか」というハングリー精神が強調されています。
シーズン2 脱獄と帝国の拡大(2001年〜2009年)
シーズン2は、伝説となった「洗濯物カートでの脱獄」から幕を開けます。自由の身となったチャポは、メキシコ全土を支配する「唯一のボス」になるべく、再び動き出します。
主な見どころ
- 政府との癒着
汚職政治家コンラド・ソルとの裏取引。政府の力を利用してライバルを排除していくプロセスは、本作の最もダークな部分です。 - カルテル戦争の激化
新興勢力「ロス・セタス」との壮絶な縄張り争い。 - 家族の悲劇
抗争の中で最愛の息子を失い、冷酷な麻薬王としての顔の裏に隠れた「父親としての絶望」も描かれます。
シーズン3 帝国の崩壊と終焉(2012年〜2017年)
最終章となるシーズン3では、世界最強の麻薬王として君臨したチャポの「終わりの始まり」が描かれます。
主な見どころ
- 追い詰められるカリスマ
DEA(米麻薬取締局)とメキシコ当局による包囲網が狭まり、チャポは逃亡生活を余儀なくされます。 - 虚栄心の代償
自身の伝記映画を作りたいという欲望から、実在の女優をモデルにした人物と接触。これがきっかけで居場所が特定されます。 - 最後の日々
再逮捕、二度目の脱獄、そして三度目の逮捕。最終的にアメリカへ移送され、独房の中で孤独に過ごすラストシーンは、栄華の終わりを象徴しています。
『エル・チャポ』感想
Netflixドラマ「エルチャポ」を観ようと思った理由は、先にNetflixの「ナルコス」「ナルコス メキシコ編」を観ていたからです。時代的にその後の話になるので、自然と続きが気になって手を伸ばしました。
ナルコス メキシコ編では、チャポが一度目の刑務所に入るところまでしか描かれていません。だからこそ、この作品ではその続きが見られるわけです。別作品なので出演者は違いますが、物語としてはしっかりつながっているのが面白いところでした。
実際にシーズン1は、ナルコス メキシコ編と同じようなストーリーが展開されます。同じ時代を別の角度から見ている感覚がありました。
ナルコスは、麻薬王を追い詰める取締側、たとえばアメリカのDEAなどの視点がはっきりしていて、追う側と追われる側の構図が魅力でした。一方でエルチャポは、チャポ本人と政治家ソルの二人を軸に描かれている印象です。視点が内側に寄るぶん、多少中だるみを感じる場面もありましたが、それでも面白かったです。フィクションが混ざっていたとしても、実話ベースと思うと重みが違いますね。
シーズン3は、これまでと描き方がかなり違っていたのが印象的でした。もしあの時こうしていたら、という仮定のシーンが多くて、もしあの時こうしていたらこうなった、という表現が何度も入ってきます。あれは、収監されたチャポが思い起こした願望や妄想のようなものなんだろうなと感じました。
チャポは、家族や仲間に対しては義理人情を感じさせる部分もあります。ただ結局は大悪党なわけで、殺害人数は2000人から3000人だそうです。組織的な抗争では3万4000人以上の犠牲者が出たとも言われています。チャポは現在でもアメリカの刑務所に収監されています。
最近、トランプ大統領がベネズエラの大統領を連れ去ったというニュースがありましたが、このドラマでも権力側が普通に悪なんですよね。麻薬カルテルと手を組んでいて、警察も軍隊も金次第で麻薬カルテルの仲間になる。そんな世界が描かれています。
メキシコやコロンビアなど、今はどんな状態なのか。観終わったあと、現実のほうが気になってしまいました。